お盆が終わり8月もあと一週間と少し。
暑さも子どもの夏休みももうすぐ終わりです。頑張りましょう!
食材も夏野菜がだんだんと終わりに近づいてきて、秋野菜への期待と、その前にめぼしい野菜が何も無くなる期間があるんじゃないかという淡い不安が渦巻いています。
そんな今、いつも畑から直送で野菜を届けてくれているからさわ農園さんのつるむらさきが美味しくてマイブームです。
実は、つい先月までつるむらさきは苦手な食材でした。それには理由があるのですが、その説明をするにはどうしてもエスカルゴの話をしなければなりません。
エスカルゴ(食用カタツムリ)というと、フランス料理で香草バターと一緒にタコ焼き機のような陶器の器に入ってオーブンで焼いて熱々で出てくる料理が有名ですが、イタリアでもルマーケという名前で料理に使われており、トマトで煮込んだりします。
ここまで読んで「エスカルゴの話は無理!」という方はどこか違うページに飛んでくださいね。
僕は虫とカタツムリは苦手ですが食材ならなんとか大丈夫です。
そのフレンチやイタリアンで使われるエスカルゴはほとんどが海外からの輸入物でしっかり加熱された状態の缶詰か、調理済みの冷凍物が飲食店にやってきます。
そういったエスカルゴはあまりカタツムリ感が無くて抵抗なく料理できるんですが、10年ほど前に一度だけ生の国産エスカルゴの剥き身を使う機会がありまして、それはそれは大きな衝撃を受けました。
サザエの刺身と缶詰のサザエつぼ焼きくらいの差です。推して知るべし。
で、エスカルゴは下処理として1時間だか2時間だか茹でてから焼いたり煮込んだりする、ということになっているところを、せっかくの生のエスカルゴ、長時間の下茹でをする前はどんなものかという好奇心で5分くらい茹でたところでちょっと口に入れてみました。
…
…
何かの葉っぱと土を一緒に口に入れたような青っぽい土臭さとヌルヌルした食感がめちゃくちゃ気持ち悪い!めちゃくちゃ不味い!
いやもう、めっちゃマズい!
しばらく後を引く体験でした。
そんなことがあって以来、つるむらさきを食べるとその青臭さと土っぽさとぬめりが、見事に例のエスカルゴを思い出させてくれるので、つるむらさきを避けるようになりました。
ただ、僕は「嫌いなモノたまに食べてみる活動」をしてまして、作り手が違えば味も違うし、自分の好みも変わる。これで昔嫌いやったけど好きになったものも数多くあります。つるむらさきも今年からさわ農園さんのを食べて、個性はありながらも柔らかくみずみずしいマイルドな味わいで一気にはまりました。
とは言え、僕の中ではつるむらさきはエスカルゴを連想するので、逆に味付けを近づけてみようとガーリックバターを使うことにしました。
それをメインの豚肉の付け合せに。
豚肉にガーリックバターだけだと重くなるので、イタリアンパセリと柑橘の果汁とケッパーを加えてまろやかな酸味のバターソースにしました。肉にもつるむらさきにもよく合います。
(そんなメインの肉料理を作ったので写真を撮ろうと思ったら、撮影する前に妻に食べられました…)
昼のランチコース、夜のイタリアンディナーコースのメインは伊賀産の豚肉ですが、旬の野菜を使って違う印象で召し上がっていただけるように考えていますので、季節毎に楽しんでいただければと思います。